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損保ジャパンが介護費用についてのアンケート結果を発表
損害保険ジャパン日本興亜が介護費用についてのアンケートの結果を発表しているので、今回はそれを見ていきたいと思います。
そして、大事なのはその数字をそのまま信じていいのかどうかということ。
介護の費用、アンケート調査結果は
アンケート結果の概要についてはリンク先に掲載されています。
介護にかかる月額費用の平均は12.7万円 – 介護費用総額の平均は? :まいなびニュース
ここで産出された数字ですが、介護にかかった費用の返金を787.2万円と発表しています。
( ゚д゚)ポカーン
もう、最初に言っておきます。
そんな金額になるわけがない。
ひとりの親を介護するのに787万円もするの・・・?
介護期間が平均で43.1か月、月額介護にかかる費用が12.7万円、そして介護にかかる初期費用が98.1万円。これで合計787.2万円ということです。
両親を介護することになったらその倍、1574.4万円もかかる。
介護というのは恐ろしくお金のかかることなんだと、きっとこの記事を見た人は誰しも戦々恐々とするのではないでしょうか。
本当に787.2万円も介護にかかるの?
では実際の内訳をみてみましょう。
住宅改修にかかる費用
まず、諸費費用についてですが、もっとも金額を多く負担したものとして住宅改修を挙げています。住宅改修を行った方の平均かかった改修費用は132万円となっています。
住宅改修でそんなにお金がかかるの?
階段昇降機でもつければそりゃかかりますよ。
でも、普通、住宅改修で行う工事であれば手すりの設置や段差解消の工事など。
手すり一本設置にかかる費用は通常のものであれば総額でも1万円~2万円。介護保険で自己負担は1割~3割になるので1000円からどんなに高くても6000円。
浴室をユニットバスにする工事をしたとしても、介護保険が適用されるので、よほどのことでない限り、そこまでの金額になることはないでしょう。
要介護状態になった家族のためにキッチンのリフォームやすべてをバリアフリーにする家もあるかもしれません。でも、ほとんどの家庭は介護保険枠内の20万円分の限度額内で収めようとするので、1割負担の方であれば自己負担2万円、3割負担の方であったとしても自己負担は6万円です。
住宅改修の平均額が132万円になるとは到底考えられません。
介護のためにと、家ごと建て替えたというケースが数件含まれていれば、ひょっとしたらこんな平均額になるのかもしれません・・・。
一か月に訪問介護で12万円、デイサービスで8万円の自己負担?
では、月額の負担金額についても見てみましょう。
ここでは一番高いのが入居型施設の介護費用。いわゆる老人ホームの費用ですから、そりゃ高いですよ。月額20万円となっていますが、家賃や光熱費や食費はたぶん介護の費用からは除かれるのだろうと思いますが、それでも20万円。
でも有料老人ホーム入居者が多ければわからなくもない数字です。
しかし、それ以外の項目が全く分からない。
訪問介護(ホームヘルパーなど)を利用していた人は月12万円、通所介護を利用していた人は月8万円の自己負担をしていると。
そんな馬鹿な話があるか。
介護保険の枠内で利用していれば三割負担の人であっても高額介護サービス費の適用が受けられるので、一か月44,400円以上の自己負担分については償還払いで返金されます。
訪問介護サービスも、12万円になるまで利用するとしたら、間違いなく全額自己負担のサービスを利用していることになるでしょうけれど。
そんな金額を支払っている利用者を見たことありません。
デイサービスでは介護保険の料金以外に食費がかかるので、それを含めたとしても月8万円とはちょっと信じ難い数字です。
なんでこんな数字が出ているのでしょうか。
損保ジャパンの介護保険を購入させたい
このアンケートの趣旨として、要は、損保ジャパンは自社製品である介護保険を買ってもらいたいと、要はそういうことです。
前にも言いましたが、民間の介護保険を購入することはお勧めしません。
介護のことを知らない家族が自分たちの要望だけで介護を組み立てようとするとそのくらいの金額がかかってしまうのかもしれません。
公的介護保険の枠内で必要な介護を受けられるように、ケアマネジャーに調整を依頼しましょう。
はっきり言います。平均787万円は介護に必要ありません。
損保ジャパンのアンケート結果を紹介しましたが、基本的に民間保険会社のアンケート結果は信じない方がいいです。
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