つい二年前に現役並み所得者が新設され、上限額が引き上げられた高額介護サービス費ですが、
平成29年8月にまた変更があります。
厚生労働省パンフレット:月々の負担の上限(高額介護サービス費の基準)が変わります(pdf)
今回の改正では、前回新設された現役並み所得者の高額介護サービス費の負担上限44,000円が、
世帯の誰かが市民税の課税を受けている世帯に拡大されたということです。
つまり、世帯全員が市民税非課税の場合以外の負担上限は37,200円から44,000円に変更になるということです。
詳しくは、パンフレット内に
適用例も公開されていますのでご確認ください。
また、今回の改正では3年間の時限措置があることもご注意ください。
今回上限が引きあがられた「世帯のどなたかが市民税を課税されている世帯」急激な負担増を抑えるため、
負担割合が1割の方の年間の負担上限については44万6400円に設定されています。
これは従前の37,200円の12か月分と同じ金額になります。
先ほど紹介した厚生労働省からのPDFのパンフレットをご確認いただくのが一番わかりやすいと思いますので、
ご確認ください。
勝手に変えておいて、「変わります」とか事務的に言ってくるのもどうなのか。
こちらに介護保険最新情報Vol.590にて周知された内容を転載します。
第1 見直し全体の概要
高額介護(予防)サービス費については、平成29年8月1日から①及び②の見直しが行われる。
① 第4段階の月額上限を37,200円から44,400円に引き上げる(平成29年8月施行)
② 世帯内の全ての被保険者(利用者ではない被保険者を含む)が1割負担の世帯については、新たに、自己負担額の年間(前年の8月1日から7 月31日までの間)の合計額に対して446,400円(37,200円×12ヶ月)の負担上限額を設定する。(3年間の時限措置。平成29年8月1日からの1年間分の自己負担額から。)また、支給方法は、原則、被保険者の申請に基づく償還払いとする。
なお、上記のとおり、年間の自己負担額の上限の適用の対象となる世帯とは、介護サービスの利用者であるか否かを問わず、1割負担者のみの世帯を指すものである。
したがって、65歳以上であっても要介護認定を受けておらず、負担割合証を有していないため、自らの負担割合を把握していない被保険者もいることから、負担割合の基準について適切に周知を行うこと。第2 月額上限の引上げについて
1 公費負担医療受給者の月額上限について
公費負担医療受給者の公費の対象となるサービスに係る月額上限は、所得にかかわらず37,200円としているが、これについても第4段階の月額上限と同様に44,400円に引き上げることとする。
2 現行の第5段階(現役並み所得のある世帯)の見直し後の取扱いについて 現在、世帯内に課税所得145万円以上の第1号被保険者がいる場合には、当該世帯の月額上限が44,400円(第5段階)となるが、本人の申請に基づき、同一世帯内にいる第1号被保険者の収入の合計が520万円(世帯内の第1号被保険者が本人1人のみの場合は383万円)に満たない場合には月額上限を37,200円(第4段階)とすることとしている。
今般の見直しにより、現行の第4段階と第5段階の月額上限が同額の44,400円となる。そのため、現行の課税所得145万円以上か否かを判定したうえで、第4段階・第
5段階の変更の対象となり得る世帯に基準収入額適用申請書を送付し、申請を受付け、段階の振り分けを行うという一連の対応は原則不要となる。但し、年間上限の支給に当たり、現行の第5段階に該当する世帯を対象外とすることとしており、基準収入額の判定が引き続き一部必要になることに留意すること。(第3の3を参照)第3 年間の自己負担額の上限額について
1 年間の自己負担額の上限額の仕組みの概要
自己負担額の年間の計算期間については、高額医療合算介護(予防)サービス費制度との整合性を踏まえ、前年の8月1日~7月31日までとし、被保険者からの申請に
基づき支給するものとする。
年間上限の設定に関し、各制度の適用順序は次のとおりとする。
① 月単位の高額介護(予防)サービス費を計算
② 年間上限の高額介護(予防)サービス費の計算
③ 高額医療合算介護(予防)サービス費を計算
2 基本的な支給要件の考え方について
毎年7月31日を基準日とし、基準日時点の負担能力に着目し、当該基準日において、第4段階である世帯であって、世帯内の全ての被保険者(利用者ではない被保険者も含む。)が1割負担者の世帯に対して、年間(12ヶ月)の自己負担額の合計額が446,400円を超える場合は、その超える額の支給を行うこととする。
なお、基準日において、第3段階以下の世帯であっても、計算期間中に第4段階の期間がある場合などは、例外的に年間の自己負担額の上限額(446,400円)を超える
場合がある。こうした場合に、より負担能力の低い世帯に年間上限の対象としないことはバランスを欠くことから、基準日において、第3段階以下の世帯に対しても、年間上限の対象とする。
また、基準日において、世帯内の被保険者(利用者ではない被保険者も含む。)のうち2割負担者がいる世帯及び現行の第5段階(現役並み所得のある世帯)について、年間上限の対象外とする。
3 基準収入額の判定について
基準日(7月31日)において現行の第5段階に該当する者については、年間の自己負担額の上限額の仕組みを適用しないこととする。そのため、世帯内の全ての被保険
者(利用者ではない被保険者も含む。)が1割負担者であって、課税所得145万円以上の第1号被保険者がいる世帯についてのみ基準収入額の判定を行うこととする。
具体的には、基準日に年間の自己負担額の合計額が446,400円を超えている可能性があり、世帯内の全ての被保険者(利用者ではない被保険者も含む。)が1割負担者の
世帯であって、課税所得145万円以上の第1号被保険者がいる世帯に、基準収入額適用申請書を送り、申請を一定期間受け付け、世帯内の第1号被保険者の収入額の合計
が520万円(世帯内の第1号被保険者が1人のみの場合は383万円)を下回る場合に限り、年間の自己負担額の上限額の仕組みを適用する。
そのため、現行の第5段階に係る基準収入額の判定の事務と比較して基準収入額適用申請書を送付する対象者は大幅に減少することが見込まれる。
4 計算期間途中に保険者異動があった場合について
計算期間途中に保険者を異動した者がいる世帯については、基準日時点の保険者における自己負担額に加えて、異動前保険者における自己負担額を通算する方針である
が、保険者間の費用負担の持ち方など具体的な運用の詳細等については追ってお示しする。
5 支給申請の省略について
年間の自己負担額の合計額の上限額に係る高額介護(予防)サービス費の支給については、被保険者の利便性を考慮し、原則として、月ごとの高額介護(予防)サービ
ス費について支給実績のある被保険者に対しては、改めての申請は不要とする取扱いとする。ただし、月ごとの高額介護(予防)サービス費の支給実績のない者が年間の自己負担額の合計額の上限額に係る高額介護(予防)サービス費の支給対象となる場合などは申請を求めることとする。
6 計算期間の途中で被保険者が死亡した場合について
被保険者が年度途中で死亡した場合には、死亡日を基準日とみなして、年間の自己負担額の上限額の仕組みを適用することとする。ただし、その場合も上限額の446,400
円を変更しない。
7 その他の留意事項
・ 給付減額を受けている者に係る給付減額期間中の自己負担額については、年間の自己負担額の計算の対象としない。
・ 介護保険事業状況報告については、平成29年10月月報より、現行第5段階の件数等についても第4段階の件数等と合計して報告し、年間の自己負担額の上限の仕組みについては、平成30年度月報より新たな項目を設けて報告する。
・ 上記の内容のほか、さらなる具体的な運用等については追ってお示しすることとする。
月ごとの高額介護サービス費の上限には達していなくても年間の上限に該当する場合というのもあるのですが、
それは申請が必要ということで、気を付けなければいけないですね。
高額介護サービス費と高額療養、それに高額医療・高額介護合算療養費制度。
医療や介護で支出が多い方はこういった制度を意識しながら上手に費用を計算していきましょう。
この高額介護サービス費、現在は自己負担割合がどの段階でも、マックス一か月44,400円が限度額となっています。今後、その限度が引き上げられる見込みが強くなっていますので、注意しましょう。
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