介護タクシーとは

介護タクシー」という言葉はよく耳にするという方も多いと思います。ただ、実際にどんな車でどんなことをしてくれるのか、イメージつかないという方も多いと思います。

介護タクシー以外にも、福祉タクシーとか、福祉有償運送とか、ケアタクシーとか、いろんな名称で呼ばれるかと思います。

そこで、今回は介護タクシーと利用にかかる費用について紹介します。

2種類ある介護タクシー

介護タクシーには大きく分けて二つの種類があります。

ひとつは介護保険を利用する介護タクシー

もうひとつは介護保険を利用しない介護タクシーです。

そのふたつの違いを見ていきましょう。

介護保険適用:通院時等乗降介助

でも、介護保険のサービス種別で「介護タクシー」ってないですよね。介護タクシーは訪問介護サービスの「通院等乗降介助」いうサービスを使って行われます。

要介護1~5までの認定を受けている人は、訪問介護の種類の一つとして通院時等乗降介助というサービスを利用できます。

介護保険の保険適用で「通院等乗降介助」を利用するには条件があり、利用目的が「日常生活上または社会生活上必要な行為に伴う外出」であることに限定されます

通院や預金の引き下ろし、選挙など、本人が行かなければいけない外出に限定して利用することのできるサービスです。

具体的なサービス内容としては、介護タクシーが到着後、出発までの移動や到着後の降車介助などを行います。それにともなって着替えたりとかも付随する業務として行われます。

訪問介護のサービスとして行われますので、サービスを提供するのは、介護福祉士や介護職員初任者研修の修了者(ホームヘルパー二級)など、介護の有資格者に限定されます。

出発前に着替えたりという介助の部分に時間がかかるようであれば、通院等乗降介助の前後に訪問介護の料金が発生する場合もあります。

メリットとデメリット

介護保険適用の介護タクシーで最大のメリットは保険適用になるので、介助の部分の費用負担が少なくなるということです。

通院時乗降介助の介護報酬の単価は108単位。1割負担の方であれば108円~110円。

と、これは乗降の介助にかかる金額です。

それ以外に、通常のタクシー料金や迎車料金がつきます。

項目料金目安
介護保険自己負担分
(通院等乗降介助)
108~110円
(1割負担の場合)
迎車料金700円~800円前後
初乗り料金(タクシー会社による)
加算料金距離や時間により
レンタル代車いすなどを借りるとき

ただ、デメリットもいろいろあります。

利用目的が通院などに限られること

・ケアマネジャーのケアプランに位置付けられていないといけないこと

・介護保険上の重要事項説明等の手続きが必要なこと

・病院内の介助は訪問介護としては適用外になる場合が多いこと

介護保険のタクシー業者は、ヘルパーの人手不足などもあり、事業所数も少なくなっています。

介護保険適用外の介護タクシー

介護タクシーに関しては、今主流になっているのは介護保険適用外の介護タクシーです。

介護保険適用ではなく、すべて自費料金になります。

介護保険で適用になっていた乗降の介助の部分が全額自費になるということです。

この料金設定は業者によってかなり差がありますが、片道1000円程度で取っている業者が多いと思います。

項目料金目安
乗降料金1,000円程度
迎車料金700円~800円前後
初乗り料金(タクシー会社による)
加算料金距離や時間により
レンタル代車いすなどを借りるとき

介護保険適用ではないので、利用目的は何でも利用できます。

旅行でも、冠婚葬祭でも、孫の結婚式でも、利用目的は問いません。

もちろん、ケアマネジャーのケアプランも必要ありません。

柔軟な利用方法ができるのが介護保険外の介護タクシーの特徴になります。

管轄する省庁も違う

ちなみに、介護保険の通院等乗降介助については厚生労働省が管轄ですが、介護保険を利用しない介護タクシーは一般のタクシー同様に国土交通省が管轄となります。

増えるUDタクシー

最近はこれに加えて、UDタクシーも増えています。

ユニバーサルデザインタクシーです。

ハンディキャップのある人も使いやすいタクシーで、車いすで乗車することができるタクシーです。

介護タクシーのような乗降介助の料金が発生しないので、さらに安く利用することができます

ただ、車いす対応の車の台数も少ないため、予約でふさがってしまうこともあります。

タクシーとの集合地点まで行くのに介助が必要なければ、このユニバーサルデザインタクシーを利用するのもお勧めです

介護タクシーを利用するときの注意点

介護タクシーを利用して、明細を見たら、こんなに高いの!っていうことがあります。費用に関する注意事項をいくつか紹介します。

時間制か距離制か

タクシー料金については、距離でメーターを測る場合と、時間貸し切りとして利用する場合があります。

だいたいは安い方がどっちになるか教えてくれるのでそれで支払います。

どちらの料金設定になっているのかは確認しましょう。

車いすのレンタル必要?

利用する人はおそらく車いすが必要な方がほとんどだと思います。

介護タクシー業者が車いすを持ってきてくれることがあります。

でも、その車いすを借りるとレンタル料金が発生します。

座ることができない人はストレッチャー(担架)を持ってきてくれるのですが、これも同様にレンタル料金がかかります。

車いす等が必要ない時には車いすは自分の車いすを利用することをはっきり伝えておきましょう。

介助人数

一人での介助ができない場合もあります。

手伝える家族などがいればいいのですが、寝たきりの方を全介助でベッドからストレッチャーに移送する、なんてことは一人では安全上難しい。

ということで、二人介助の場合は料金が割り増しになります。

階段昇降料金

そして、注意したいのがこれ。会談にかかる料金です。

業者によって違いますが、階段の段数でいくらだとか、マンションや団地であれば何階ならいくらとか、追加料金が設定されています

ただ、階段を一人で降りれない、もしくは登れないという場合にはやはり介助が必要。介護タクシーに依頼すれば階段昇降の介助もしてくれます。

階段昇降リフトを持っている業者も少ないので、車いすの状態で二人介助で卸していくケースが多いです。(一人でも車いすの方を下す方法はあります。)

団地の方の場合など、階段昇降で自己負担が大きくなるというのはよく聞きます。

まとめ

・介護タクシーには介護保険適用とそうでない介護タクシーがある。

・介護タクシーの費用にはオプションが多く、2人介助や階段昇降が加わると出費が大きくなる。