在宅で最期を迎えるために必要な費用についてご紹介しています。
今回は訪問診療について紹介します。
目次
訪問診療とは?
通常、受診をするには患者が医療機関へ行き、そこで医者と対面して診察を受けます。
ただ、通院ができない状況も存在します。
公共交通機関やタクシーなどを使っても通院ができない状況になったときにどうするか。
通院ができなくなったら、医者が自宅を訪問する「訪問診療」を利用するのが一般的です。
在宅療養支援診療所とは?
最近は訪問診療を専門に行う在宅療養支援診療所も増えてきています。
在宅療養支援診療所は、24時間365日体制で医師や看護師が対応し、必要に応じて訪問診療を行う医療機関です。
訪問看護ステーションや薬局、ケアマネジャーとも連絡を取りながら在宅の患者を支援するのが特徴です。
在宅医につながったら、もう最後までその在宅医に看てもらわなきゃいけないのか、というと、必ずしもそうではなく、最後には緩和ケア病棟(ホスピス)に入所する人もいますし、介護保険施設に入所する人もいます。状態が改善すれば外来受診に戻るなんて人もいたりします。
通常、訪問診療は医師と看護師が一緒に訪問します。
それ以外にも運転手やコーディネーターなどの役割が同行する場合があります。
訪問診療の費用は?
訪問診療の費用は医療保険給付の対象になります。
なので、1割負担の人もいれば3割負担の方もいますので、まずは何割負担なのかは必ず保険証を見て確認しておきましょう。
訪問診療の費用、どんな内訳になっているのかをざっと見てみましょう。
在宅時医学総合管理料
これは月に一回固定で必要になるお金で、公共料金などでいえば基本料金のようなものです。
ただ、月に2回以上訪問診療を受けているかどうかによってその点数が異なります。一割負担の方を例にすると、月に一回であれば3,000円弱、月に二回以上であれば5,000円弱と考えていただくとわかりやすいかと思います。
訪問診療料
これは診察代ですね。この費用は一回当たりの金額になりますので、訪問診療を受けた回数分をかけることになります。
一回当たり850円程度と考えていただくといいでしょう。
交通費
これは医療保険の対象になりません。自費で発生する料金になります。
ガソリン代であったり、車の維持費であったり、運転手を雇用している医療機関であればその人件費であったり、駐車場代が必要な場合は駐車場代だったり、訪問診療を行うにもいろんな経費が必要になります。
交通費で請求されて、ガソリン代にそんなかからないでしょう、と言う方もいらっしゃるかと思いますが、そういった意味で理解してもらえればと思います。
これは各医療機関それぞれなので、500円というところも1000円というところもありますし、距離や時間帯などで分けているところもあります。
居宅療養管理指導費
この居宅療養管理指導という料金については医療保険の対象ではなく、介護保険で算定される料金です。
担当のケアマネジャーや介護サービス事業所と連携を取るという名目でかかる費用になります。
医療機関から担当のケアマネジャーに診療についての経過などの情報を文書で交付しています。
ということで、これは医療保険とは別なので、介護保険の負担割合によって費用が決定します。
1割負担であれば一回500円と考えていただくとわかりやすいかと思います。
このほかにも、医療機器の仕様の場合の加算や、緊急訪問などにかかる加算などもありますが、基本的にかかる料金としてご紹介しました。
じゃあ、だいたい いくらかかる?訪問診療
地域などによって加算なども違うのでざっくり紹介します。
東京などの都市部で、一割負担の患者が月二回の訪問診療を利用したとすると、自己負担の金額でいうと8,000円強と考えるとひとつの目安になると思います。
意外と安い、と考えるか、外来に比べて高い、と感じるのか。
外来受診した場合にかかるタクシー代・介護タクシー代などの費用も含めて比較して考えると、思っていたより安いという印象を受けるかもしれませんね。
また、これに加えて薬局でかかる費用や訪問看護ステーションを利用している場合は訪問看護の費用も掛かります。
ただ、以前も紹介している高額療養費の対象になりますので、限度額を超えた自己負担は払い戻されるので安心ですね。
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