住宅改修の費用は介護保険から

上手に介護保険の住宅改修を使うポイント

介護保険では住宅改修への給付が認められています。

工事にかかる人件費なども含めて、総額20万円分までの工事は自己負担1割で行うことができます。(1割負担の方の場合)

単純に、手すり設置工事で2万円かかったとしたら、介護保険から1万8000円が支給され、
残りの2000円を自己負担として業者に直接支払うことになります。

2割負担であれば、1万6000円が介護保険から支給され、4,000円を工事業者に支払います。

3割負担であれば、1万4000円が介護保険から支給され、6,000円を工事業者に支払います。

要介護認定者・要支援認定者が自宅で過ごし続けることができるよう、かかった工事費の7~9割を介護保険で負担するのが介護保険の住宅改修です。

業者によって見積金額が違う

工事の金額は業者によってまちまちです。
ものすごい大雑把な感覚で言うと、手すり一本1万~2万円(自己負担1000円~2000円)と考えていいと思います。

金額の幅が大きいのは、設置場所によって、梁が入っていて直接打ち込めるところであれば安く工事ができますが、補強板を入れなければいけない場合などもありますので、その場合は料金も高くなります。

距離が長くても、手すりの木材自体の料金はほとんど変わりませんが、受け具などを設置する数が増えると料金もぐっと上がりますので、手すりをつける場所はよく検討しましょう。

相見積もりを出してもらう

工事の方法などによって見積の金額は結構あります。

業者を選定するときには、2か所以上の業者に相見積もりを出してもらうこともお勧めです

お急ぎでなければ、見積り金額や仕様の違いを比較してみると、結構差がありますので、相見積をすることをお勧めします。

相見積もりをするのであれば、できれば両方の業者にその事実を伝えておくようにしましょう。

トイレに設置するには

主に工事個所として多いのが、トイレや玄関・浴室などでの手すり設置工事です。

立ち座りや上下動の動作が多い場所で、転倒のリスクが高かったり、ひざや腰の負担も大きいため、工事を希望するケースが多いです。

手すりを設置する際には、立ち上がる動作の時には、座っている人の前方に縦方向の手すりを設置します。

座る動作の時には、体の横側に横方向の手すりを設置します。

ふたつの手すりが、アルファベッドのL(エル)の形になることから、L字型手すりとも言います。

これにより、立つときは腕の力も使って体を引っ張り上げることができ、座るときは膝に負担がかからないように腕の力でブレーキしながら体制を保ちつつ座ることができます。

公共機関の多目的トイレなどでL字型の手すりを見ることが多いと思いますが、そういった原理からできています。

ちなみに、L字型手すりをつけるときあるあるで、ペーパーホルダーがちょうどいい感じの位置にあったりします。

ちょうどいいというか、ちょうど邪魔というか、横手すりを設置したい場所にだいたいペーパーホルダーがあります。

親切な業者さんだったら、お願いすると追加料金なしでペーパーホルダーの場所を移してくれるので、頼んでみましょう。

段差解消の工事

段差解消の工事も介護保険で認められます。

ただ、難点もあります。敷居の段差を取る場合、それにともなって戸や襖なども変更しなければいけなくなる場合があったり、 板張りをして高さを同じレベルにそろえようとしても、昔の住宅は高さのレベルがバラバラだったりするので、全面的に板を張り替えなければいけなかったりして、 かなり大掛かりな工事になります。

全部が同じ床面の高さになればいいのですが、あっちは高い、こっちは低いではかえって転倒のリスクにもなります。

簡易スロープを設置する場合もありますが、かえってその上に立った時にバランスを崩しやすいので、屋内を歩かれる場合にはあまりお勧めしません。

車いすでの生活になった時に、検討していただくといいと思います。

他にもある介護保険の住宅改修

ほかに、引き戸への交換や滑り止め床材への変更、便座の高さ解消などが介護保険で認められています。

新築で家を作る場合には介護保険での住宅改修は対象になりません

あくまでリフォームのために使われる介護保険サービスであることを理解しましょう。

家が完成してから、介護保険での住宅改修を申請すれば、手すりの設置などは介護保険での適用になります。

新築される場合は、完成後、時期をずらして手すり設置を行うことをお勧めします(あんまり露骨すぎない程度に)。

ただし、介護保険で認められない工事もありますので、次はそれを紹介します。