デイサービスとは

デイサービスへの送迎の様子

通所介護サービスは一般的にデイサービスと呼ばれています。

日帰りで通所施設に送迎を受けながら通い、そこで設定されたレクリエーションや運動機能訓練などのプログラムを受ける、というサービスです。

現在、デイサービスの利用者は介護保険サービスのすべてのサービスの中で利用者数が最多となっています。(通所介護は介護保険の改正により、通所介護と地域密着型通所介護の二種類に分類されました。)

それだけ需要も多く、サービス自体も多様化しているという状況にあります

デイサービスにかかる費用

そんなデイサービスの利用料金ですが、大きく分けて介護保険サービスとしての保険適用の料金と、介護保険対象外の全額自己負担の料金とに分かれます。

介護保険サービスとしての料金については、月額料金の要支援と、一回当たりの料金設定となる要介護の方とで料金体系も異なります

また、要介護の方の場合は、要介護度ごとに料金設定が異なり、要介護度が重くなる(数字が大きくなる)にともなって料金が高くなっていきます。

これは、介護にかかる手間が大きくなる介護認定の結果に応じて、必要な手間として算定していることによるもので、要介護度ごとの料金設定となっています。

それぞれに見ていきましょう。

要支援の方の場合

介護認定が要支援(1・2)だった方は、対象が介護保険の通所介護もしくは地域密着型通所介護ではなく、市町村事業の介護予防・日常生活支援総合事業の枠組みを使ってデイサービスに通います

これは一か月定額のサービスになっています。

具体的に、1割負担の方が横浜市の介護予防・日常生活支援総合事業で通所した場合の料金を見てみましょう。

認定利用回数利用料金(月)
要支援1週1回まで1,766円/月
要支援2週2回まで3,621円/月
横浜市介護予防・日常生活支援総合事業の場合

この金額に加えて、事業所が各自に算定する加算が追加されます。

食費や日常生活費などが介護保険外で必要になります。

要支援の方のデイサービスは利用時間は関係ありません。

たとえば、2時間だけしか利用しなくても、7時間利用しても、料金は同じです。

また、月額固定料金なので、一か月に一回しか行けなかった!という月があっても同じ料金です。

通院や用事のためにお休みする日がある場合、別の日に振替で利用できるかどうかも確認しておきましょう。

要支援の方の場合は、要支援2の方は週2回まで利用できますが、週1回がいい、という人もいるかと思います。自治体によっては要支援2の人の週1回利用という料金設定をしているところもありますが、要支援2だったら週1回でも週2回でも同じ料金、という自治体も多いので確認しておきましょう。

要介護の場合

今度は要介護の方の場合です。

要介護の方が利用するデイサービスは事業所の規模によって「通所介護」と「地域密着型通所介護」に分かれます

何が違うかというと、利用者の定員数です。

通所介護の例

定員が多い事業所は通所介護になります。まずは通所介護を例にとってみていきましょう。

通所介護は都道府県が管轄で指定や指導を行います。

後でも説明しますが、これは介護保険の自己負担割合が1割の方が通常規模の通所介護サービス事業所を8時間以上9時間未満の時間で1回利用した料金です。

要介護度一回当たりの利用料金
要介護1704円
要介護2831円
要介護3963円
要介護41,095円
要介護51,227円
横浜市介護サービス事業者ガイドブックより

見てみるとぱっとわかると思うのですが、要介護度によって料金がかなり違います。介護1と介護5の間では500円以上の開きがあります。

介護の手間がかかることで、それだけ職員の手間もかかるということで、利用料金も高くなるのです。

よく介護度が低いことに文句を言う人がいます。あの人は要介護いくつなのにうちは要介護いくつ、とか。認定調査員がいい加減に調査したんじゃないかとか。あの病院に主治医意見書書いてもらうから要介護度が低かったから、今度は大学病院の先生に書いてもらいたい。とか。

要介護度が高くなることで介護保険の支給限度額は高くなりますが、その分、サービスごとの自己負担の金額も大きくなります。

デイサービスやショートステイなどのサービスは要介護度ごとに料金の幅がかなり大きいので、サービスがびっしり必要でない限りは介護度が低いことのメリットの方が多いです。余談ですけど。

サービスの基本単価以外にも、個別機能訓練加算や口腔機能向上加算、介護職員処遇改善加算などの加算が事業所によって加わります

入浴も入るたびに入浴加算が付きます。

また、今回紹介したのは通常規模のデイサービスですが、大規模というカテゴリもあり、大規模のデイサービスの方が料金は安くなります

ここまでが介護保険分です。これに関しては自己負担割合によって1~3割で負担割合が異なります。

地域密着型通所介護の例

地域密着型通所介護は管轄が市町村で指定や指導を行います。

定員数が18名以下の小規模なデイサービスはこの地域密着型通所介護となります。

これも同じように料金の例を紹介します。

1割負担の利用者が8時間以上9時間未満の地域密着型通所介護を利用した場合です。

要介護度一回当たりの利用料金
要介護1819円
要介護2968円
要介護31,122円
要介護41,276円
要介護51,428円
横浜市介護サービス事業者ガイドブックより

通常規模のデイサービスと比べると、料金が全体的に高くなっていることがわかります。100円~200円くらい高いですね。

この基本単価に加えて、個別機能訓練加算や介護職員処遇改善加算などの加算がプラスされたのが介護保険適用分の料金です。

さらに、食費や日常生活費などの全額自費の料金が加えられたのがデイサービスの料金です。

事業所によって設定している利用時間が異なりますので、時間が長ければ当然料金も高くなると覚えておきましょう。

これ以外にもデイサービスには認知症対応型デイサービスや療養通所というカテゴリーもあります。

デイサービスの食費ってどのくらい?

介護保険対象外の全額自己負担となる料金についても説明します。

デイサービスでの全額自己負担の料金は主に食事代です。

事業所ごとにそれぞれに必要な金額を算出して設定しますので、金額の開きはかなりありますが、高くて850円くらいです。

お泊りデイサービスとかの事業所は食費を安くしていますが、安くてもだいたい400円台くらいでしょう。

間食(おやつ)の料金を別に取る事業所もありますので、そこは確認しておきましょう。

800円払うんだったらもっとおいしいものを食べたい、という人もいます。毎週利用する立場を考えれば、もう少し安くなってほしいという要望も多いのは確かです。ただ利用者それぞれの食形態(きざみ・ミキサー食やおかゆなど)や、アレルギー対応などをしていることを考えれば、妥当な金額とも考えられます。

地域によって、非課税世帯・低所得者などを対象とした食費負担の軽減制度がある場合もあるようですので、食費負担が心配な方は相談してみるといいのではないでしょうか。

食費以外にかかるお金

それ以外に、タオルやティッシュなどの備品にかかるお金や、デイサービスで交換するおむつ代、レクリエーションなどで使われる材料代などについては実費負担となる場合がありますので、これについては全額自己負担となります。

また、緊急時の宿泊として夜間のお泊まりを行うデイサービスもありますが、その宿泊費も全額自己負担です。

こういった介護保険対象外の料金を加えると、金額もかなり大きくなります。

生活保護の利用者さんがデイサービスを利用する場合、介護保険適用分に関しては自己負担はありませんが、ここまで紹介した食費やおやつ代、レクリエーションなどに使う費用に関しては生活保護からは出ませんので、費用負担はかなり大きく感じると思います。

介護保険対象外の料金については特に事業所によって大きく差が出ますので、デイサービスに費やすことのできる費用などを伝えたうえで、ケアマネジャーさんとよく相談してみるといいでしょう。

ちょっとでも費用を安くしたい人は

要介護の方でデイサービスを利用するときに少しでも費用を抑えたいという人は、短時間のサービス事業所を選ぶか、大規模型のサービス事業所を選ぶといいでしょう。

あとは、入浴はデイサービスで入れば一回50円分(地域加算によりもう少し高い場合もあります)自己負担が発生します。塵も積もれば山となる、なので、自宅でお風呂に入れる人は自宅で入るのもいいかもしれません。

デイサービス事業所が自宅から歩いて行ける場所にある、という人は、歩いていくと、送迎を使わなかったということで「送迎減算」という減算(利用者側からすると割引)が適用されます。一回当たり47円ですが。ほとんどの事業所は安全面から送迎を利用するように説明されると思いますが、理由があって家族の迎えで早退するとか、受診の後にデイサービスにそのまま家族の車で来るとかいう場合は送迎減算の対象になります。

いずれもそんなに安くなるわけではありませんので、あまりお勧めしません。

一番デイサービスを安くするために効果的な方法は、介護度が軽くなることですね。