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特別養護老人ホームの相部屋代徴収へ。

特別養護老人ホームが値上げした?

特別養護老人ホームに入居している利用者を持つご家族の方の中で、
8月からの請求書を見て驚かれた方も多いのではないでしょうか?

「料金が高くなっている!」

今回、介護保険の改正で、多床室と呼ばれる相部屋についても室料の負担が発生するようになりました。

特養相部屋代徴収へ

これまで、個室に入居している利用者は部屋代を介護保険外の料金として支払っていたのですが、
相部屋の場合はその負担はありませんでした。
今回、室料として、相部屋を利用している方もその負担を支払うことになりました。
これは、光熱費相当の金額を支払わずに介護保険のサービス利用料だけを支払うことで施設利用をしている方と、
光熱費を支払いながら在宅で生活している方々の不公平感の大きさを埋めるという意味での法改正となります。
4月に介護報酬改定で安くなったと思ったら、8月から高くなった、と思われている方も多いかもしれません。


自己負担軽減の要件となる資産、該当するもの・しないもの。

<増える介護費 自己負担>(上) 高齢者の不満

 金融資産がある人の介護費自己負担を増やす介護保険制度の見直しが、八月から始まった。これまでは所得によって負担額が決められていたが、資産に初めて手を付けたのが特徴。しかし、老後のために少ない所得からコツコツためてきた高齢者からは不満の声が漏れるほか、自治体職員からは「意図的に資産を隠されたら、把握は難しいのが現実」との指摘も出ている。

 「年金が少ないのは若いころから分かっていたから、大病したときや葬式代を考えてためてきた。貯金があっても、裕福な暮らしをしているわけではない」。中部地方に住む男性(84)はうめいた。

 寝たきりの妻(82)は、自分では排せつや食事がほとんどできない要介護「5」。男性が自宅で介護しながら、週三日のデイサービスと、月に四泊のショートステイを使っている。

 元自営業で、築五十年近い木造一戸建てに住む。年金は夫婦合わせて月に約十万円だが、預貯金は夫婦で二千万円超。生活費は年金だけでは足りず、貯金から毎月十万円ほど取り崩す。所得が低いため住民税の非課税世帯で、これまで介護費の軽減対象だった。

 そこに降ってわいた自己負担の見直し。今月から軽減の対象外になりそうで、月に一万五千円ほどのショートステイの利用料は、三万円近くになる。「頑張ってお金をためてきたのは何のためだったんだろう。腹が立つ」と憤る。

 制度見直し後も、夫婦の金融資産が二千万円以内なら軽減を受けられる。男性が思いついたのが、自宅の改修工事。以前から耐震強度に不安があり、改修しなくてはと思っていたからだ。「お金を持っていると損をする感じ。それなら貯金を使ってしまって、減らそうと思った」。八月上旬に既に耐震診断を受けた。

 今回の自己負担見直しでは、預金通帳や株式口座残高のコピーなどを添えて申請しなければ、軽減を受けられない。ただ認知症であったり、一人暮らしのお年寄りの場合などは、制度を理解し自分で手続きできるかは疑問がある。岐阜県のケアマネジャーの女性によると、介護サービスを受けている高齢者の家族で、遠距離に住んでいる人からは「近くに手伝える家族がいない。高齢者だけでは手続きが難しい」との声も上がっているという。

 このような場合に備え、厚生労働省はケアマネに担当する高齢者の申請手続きの協力を求めている。このケアマネは「法的権限のない私たちに資産確認などを求められても…」と困惑している。

◆不正な軽減には罰則も

 今回の自己負担見直しは、特別養護老人ホームやショートステイの食費と居住費が対象となる。預貯金や株式、たんす預金などの金融資産が単身者で一千万円、夫婦で計二千万円超ある人の軽減措置がなくなり、これまでの二倍程度になることもある。資産には、土地や建物などの不動産、車や宝石などの動産は含まれず、住宅ローンなどの借金は差し引かれる。

 八月分の介護費から軽減を受けるには、月内の申請が必要だ。申請時は預金通帳のコピーなどの提出が必要。もし意図的な虚偽申告で不正に軽減を受けた場合は、最大で受給額の三倍を支払う罰則も設けられた。

ケアマネジャーにとっても、銀行の講座のコピーを準備するというのはなかなかハードルの高い要求で、
これを家族が対応できるのであればいいのですが、
対応できる家族がいない状況であったり、
そもそも資産のすべてがどうなっているのかを把握できる人がいない状況で、
それを申告して虚偽があれば罰則がありますというのは、これまでを考えれば非常に乱暴なのではないでしょうか。

今後、不動産や貴金属など、対象にならない資産への移行をするにしても、
いずれマイナンバーなどでチェックができるようになるので、資産の状況は行政からは筒抜けになりますので、
抜け道はなくなっていくでしょうから、これも一時しのぎにしかならないでしょう。

この自己負担の変更も、
マイナンバーが運用されてからにしていただきたかったですね。


介護貧乏予備軍。問題は認識の薄さ、関心の低さか。

介護の費用の準備はできていないが9割!

「介護と生活」に関するインターネット調査を実施(トレンド総研)

トレンド総研は20~60代の男女500名を対象に、「介護と生活」に関するインターネット調査を実施し、その結果を発表した。発表された資料によると、自分の家族の介護における経験および今後家族を介護する可能性について、「介護に関わった経験がなく、今後も介護に関わる可能性はないと思っている」人が51%と、半数以上にも上ることが分かった。

この調査の中で、このブログのテーマである介護とお金に関する調査項目を紹介します。

介護費用「貯金なし」が約9割…「介護貧乏」予備軍が大多数!?

次に、「介護とお金」について調査をおこないました。
まず、「自分の親の介護にかかる費用の総額」(単一回答)のイメージを聞いたところ、「見当がつかない」(44%)が半数弱を占めたものの、
具体的な金額としては、「100万円以上500万円未満」(22%)、「500万円以上1,000万円未満」(11%)といった回答が多くなりました。
しかし、「自分の親の介護費用として、現在貯金をしていますか?」(単一回答)という質問に対しては、
85%と約9割が「していない」と回答。[グラフ3]

「介護」には費用がかかると思っているにもかかわらず、ほとんどの人が自分では費用を準備できていないことが分かりました。
これらの人は、介護費用の負担によって家計が圧迫される「介護貧乏」の予備軍とも言える状況にあり、
近年社会問題となっている「介護破産」にもつながりかねないと考えられます。

さらに、一部の利用者の自己負担が増加する、このたびの介護保険法改正の認知度についても調べました。
法改正前の制度では所得にかかわらず介護の自己負担は1割でしたが、
このたびの法改正により、
2015年8月から一部の利用者の自己負担が2割に増加しました。
「このことを知っていますか?」(単一回答)と聞いたところ、
「制度については知っていたが、改正については知らなかった」が23%、
「制度についても改正についても知らなかった」が45%。
合計すると、改正を知らなかった人が68%と約7割にのぼるだけでなく
元の制度に関しても知らなかった人が約2人に1人で、多くの人が「介護」について関心が薄いと言えます。

インターネット調査だったこともいくらか影響しているかもしれませんが、
このように、
介護の費用については関心が低く、
介護費用については用意をしていないという回答が圧倒的という事実がわかりました。

また、費用負担についても、改正以前にどのくらいの負担が必要なのかも知らなかったようなので、
介護保険という名前だけは知られていても、その内容については認知不足と言うのが現実なのかもしれません。


負担限度額認定には通帳のコピー提出が必須に!

負担限度額認定のハードルに預金の確認が!

先ほど介護保険の負担限度額認定について説明しましたが、
平成27年4月の法改正でこの制度が大きく変わりました。

まず、これまで負担限度額認定の対象となっていたのは、市民税が非課税の世帯
市民税の決定は、所得によって決まり、所得の多い順に、所得割・均等割・非課税と課税の種類が決められます。
このうちの非課税に該当する方が負担限度額認定を受け、施設利用時の食費や居住費を軽減することが出来ました。

ただ、所得自体は少なくても、もともと資産を多く持っているという方もいるため、
そこからも負担をできるだけしてもらおうという観点から、
市民税が非課税と言う条件に加え、以下のような資産の要件が加えられました。

①本人、本人が属する世帯の世帯員及び配偶者(※1)が市町村⺠税非課税
本人及び配偶者の預貯金等(※2)の資産の額の合計が2,000万円以下
(配偶者がいない場合は、本人の預貯金等の資産の額が1,000万円以下

 ※1・・・配偶者が、住⺠基本台帳上、別世帯の場合でも含めます。
 ※2・・・預貯金(普通・定期)や有価証券等をいいます。主な例は下表のとおりです。

・預貯金(普通・定期):すべての口座の表紙及び最終記帳ページ等、口座名義及び残高の確認ができる書類
 (最後に記帳してから2か月以内のもの)
・現金 :―
・有価証券(株式・国債・地方債・社債等) :証券会社や銀行の口座残高の写し等
・金・銀(積立購入を含む)等、購入先の口座残高によって時価評価額が容易に把握できる貴金属: 購入先の銀行等の口座残高の写し等
・投資信託:銀行、信託会社、証券会社等の口座残高の写し等
・負債(住宅ローン等) :残高証明書等

さて、預貯金等の中にはタンス預金している現金も含まれています。
なんだか、国税が差し押さえにでも来たのかという勢いですね。
これらの資産を示す資料などが提出できない場合、この限度額認定を受けることが出来ません

しかし、実際問題。この要件に間違いなく該当している方でも、
通帳がどこにあるのか紛失してしまった、とか、
どこにどのくらい預金があるのか誰も把握ができていない、とか、
認知症の独居など、確認する資料を準備することが出来ない方も多いわけです。
それでも、行政はそれを提出しろと突っぱねます。

実際の事例ですが、
これまでも負担限度額の認定を受けていた方で、子どもとの二人暮らしでした。
その子どもが急病で入院。
本人は緊急的にショートステイ入所。
負担限度額の認定更新をしようとするも、通帳などがどこにあるのかわからず、資料の用意ができない。
それを保険者に相談すると、回答は以下のようなものでした。

「通帳の写しがない限り、負担限度額認定申請を受け付けることはできません。」

はっきり言って、必要な人が必要なサービスを使えない状況が起きるわけです。

この制度改正、やはりマイナンバー制度とセットで行うべきだったはずです。
マイナンバー制度については情報セキュリティの問題で、まだまだ改善しなければいけない状況です。

だとしたら、負担限度額の制度変更もマイナンバー制度に合わせることが筋だと思うのですが、いかがでしょう。