通所リハビリテーションとは

通所リハビリテーションは、老人保健施設や医療機関(病院や診療所)などで提供される日帰りのサービスです。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリテーション専門職によるリハビリ指導を受けることができます。

通所リハビリテーションとデイサービスの違い

デイサービスとの決定的な違いは、まず、設置できる主体(法人)が老人保健施設や医療機関に限られることです。つまり、医者がいるということですね。

そして、理学療法士等のリハビリの専門職が必ず配置されており、通いに来た利用者にリハビリテーションのサービスを提供します。

デイサービスでは、理学療法士や作業療法士などの配置義務はありません。機能訓練指導員が配置されている機能訓練型のデイサービスがありますが、理学療法士や作業療法士は配置義務ではなく、看護師や柔道整復師などが運動プログラムを作成することもあります。

これが通所リハビリテーションのサービスです。

通所リハビリテーションの費用

費用については、デイサービスと比較するとだいぶ金額は高くなります。

ただ、単純に比較ができないのは、利用時間が異なるためです。

平成24年4月の制度改正の際に、デイサービスの時間の枠組みが変更になったため、デイサービスでは7時間程度で提供する事業所が多くなっています。

それに対して、通所リハビリではやや短めの6時間程度で提供する事業所が大多数です。

要介護1の方が、6時間でデイサービスと通所リハビリを利用する場合、
・デイサービス(通常規模)  602円~/日
・通所リハビリ 671円~/日
となります。

これに加えて、運動機能のプログラムの実施などによる加算がつきます。

また、通所リハビリの事業所では、利用するタオルなどの利用料金(クリーニング代)などを請求するところも多いので、介護保険外の全額自費になる料金も確認しましょう

それと、通所リハビリを利用する場合には、主治医の診断書が必要になる場合がありますので、利用開始には診断書の発行料なども必要になることを覚えておきましょう。

ただ、通所リハビリの時間数もより短時間で集中的にリハビリを行うように適正化するべきという方針から、長時間の通所リハビリの金額は引き下げられていますので、今後の改定時には、長時間の通所リハビリはもっと利用しやすい金額になるかもしれません。

追記:加算が多いのが通所リハビリテーションの特徴

通所リハビリテーションが算定する加算がますます増えています。

通所リハビリテーションマネジメント加算という加算はリハビリの計画作成と評価や、医師を交えたリハビリテーション会議などを行うこと、自宅を理学療法士等が訪問することなど、様々な要件があり、それを満たすことで算定されます。

退院間もない利用者への通所リハビリテーション介入により、短期集中リハビリテーション加算という加算も算定できます。逆に言えば、退院後の通所リハビリ利用は通常よりも個別リハビリの時間が長くなる分、料金も高くなるということですね。

通所リハビリの料金まとめ

まとめると、通所リハビリに必要な費用は、

【介護保険適用分】
通所リハビリ基本単価+事業所で設定している加算(運動機能向上加算・介護職員処遇改善加算など)
※ 前年所得をもとに算出された自己負担割合、1~3割を負担

【実費負担】
食費+その他実費(いずれも施設による)

デイサービスと通所リハビリテーション、どっちがいい?

最近はデイサービスでも運動機能回復をメニューとして取り入れて理学療法士などが勤務している事業所が増えているので、通所リハビリだけではなく、デイサービスを利用するなど選択の幅は広がっているかと思います。

機能訓練特化型の半日デイサービスなどは、食事や入浴のサービスはありませんが、3時間程度の時間で十分リハビリを行うことができます。

通所リハビリテーションの事業所では、食事や入浴などもあり、リハビリしている時間は実際は短いという場合もあります。

となると、どちらが通所リハビリテーションという事業っぽいか、混同してきそうな感じもありますね。

こっちはデイサービスだから、こっちは通所リハビリテーションだからという枠組みでとらえることはせず、まずは見学などをして、自分に合った事業所を探しましょう