特別養護老人ホームでの生活費はどのくらい?在宅での生活を続けることが難しくなった場合、要介護の認定を受けていれば特別養護老人ホームでの生活を選択することができます。

特別養護老人ホームでの生活に必要な費用は、大きく分類すると、
賃料(部屋代)、食費、水道光熱費などを含めた雑費、介護保険の一割負担金額などに分かれます。

まず、賃料ですが、これは施設によって異なります。
部屋の種類は従来型多床室と呼ばれる4人部屋などの大部屋や、新型ユニット個室と呼ばれるトイレ付の個室などに分かれており、
当然のことながら、個室タイプの部屋の方が賃料が高くなります。
施設によっても金額は違いますが、個室の方が6~7倍金額がかかる場合もあります。
新設される特別養護老人ホームは原則個室で構成されていますので、
新しい特別養護老人ホームへの入所を検討の際には部屋代に特に注意することをお勧めします。

食費や水道光熱費などは施設側が設定する金額なので、
こちらもよく確認していただくことをお勧めします。
食費については1380円/日という設定にしているところが多いと思います。
それ以外にかかる金額では、日用生活品費などがあります。
合計するとざっと5万近くの金額になると考えていいでしょう。

最後に介護保険での自己負担金額ですが、
要介護1から要介護5で料金設定が異なります。
多床室と呼ばれる大部屋とユニット型個室などの違いによって、単価の設定も異なりますが、
それほど介護保険上の設定金額違いは大きく変わりません。
従来型多床室の場合、要介護1で18,900円/月、要介護5で27,210円です。
新型個室ユニットの場合、要介護1で19,770円/月、要介護5で28,230円です。
(※地域加算によってこの金額が増える場合があります)
要介護度によって、これだけの金額の差がありますので、
特別養護老人ホームとしてはできるだけ要介護度の重い人を優先して入所させたいところなのですが、
ただ、重篤な方ばかりになってもケアが行き届かなくなる恐れがあるので、バランスを取りながら入所の受け入れを行っているようです。

費用については大まかにこういった内容になります。
じゃあお金がない人は施設で介護を受けながら生活ができないんじゃない?という疑問を感じる方も多いと思います。
非課税世帯などの低所得者には、食費や居住費などの自己負担金額の軽減を申請することができます。
所得などに応じて、第一段階から第四段階まで分類され、その段階によって負担する金額が軽減されます。
この軽減制度についてはまた詳しくは別の機会にお伝えしたいと思います。

ということで、特別養護老人ホームで生活するには、
施設の種類などにもよりますが、一ヵ月7万円くらいは最低でも必要になると考えていただきたいと思います。
逆に、個室など施設の種類などによっては、一ヵ月13万円くらいになる場合もありますので、施設側の相談員から確認しておきましょう。