介護保険の認定軽度者は福祉用具の利用が全額自己負担になる?
そんな議論が行われていますので、紹介します。

財務省、介護の自己負担「原則2割」提案 福祉用具の抜本的見直しも要求

財政の再建に向けた議論を行う財務省の審議会(財政制度等審議会)は9日、社会保障制度改革の工程表をめぐる議論を行った。

財務省はこのなかで、介護保険の利用者の自己負担を原則2割とすることを提案。これまでも主張してきたとおり、要介護2以下の高齢者に対する給付を大幅に縮小することも改めて要求した。今後、官邸が主導する「経済財政諮問会議」が年末にまとめる工程表に反映させ、政府全体の方針として位置づけたい考えだ。

2018年度に控える次の制度改正を念頭に、「2016年末までのできる限り早い時期」に最終的な結論を出すよう促した。来年から本格的に議論を始める厚生労働省の審議会などで、より詳しい中身を固めていくべきだとしている。

まずは65歳から74歳を原則2割に

介護の自己負担では、まず65歳から74歳を先行して引き上げるよう求めた。75歳以上についても、将来的な原則2割に向けて検討を進めるべきだと踏み込んだ。

財務省は従来から、要介護2以下をターゲットにした給付のカットを迫ってきている。今回の会合でも、掃除や洗濯といった訪問介護の生活援助と福祉用具の貸与、住宅改修を、原則として利用者が自己負担で賄う仕組みに変えるべきとした。福祉用具については、状態に合わない器具が使われたり価格にバラつきがあったりすることが問題だと指摘し、今のルールを抜本的に見直す必要があると説明。新たに以下のような記載を加えた。

貸与価格の見直し

対象品目の希望小売価格等から減価償却期間等を考慮して算定した標準的な利用料を基準貸与価格として設定する(住宅改修についても、工事実勢価格等をベースに同様の仕組みとする)。真に有効・必要な附帯サービスについては、厳格な要件の下に、貸与価格とは分けて標準的な保守管理サービス等を別途評価する枠組みを検討し、事業者間の適正な競争を促進する。また、行政や利用者にとって取引価格や製品性能等が比較可能となるよう情報開示(見える化)を進める。

貸与機種のスペックのあり方の見直し

利用者の状況・ADLの維持向上の必要度等に見合った貸与品の選定を推進するため、要介護区分ごとに標準的な貸与対象品目を決定し、その範囲内で貸与品を選定する仕組みを導入する。

抜本的な見直しとして、介護保険の認定が要介護2以下の利用者は福祉用具のレンタル・住宅改修で保険給付が受けられなくなるのではないかと言われています。
それに対して、業界団体は当然反発。

福祉用具 利用制限しても、保険給付額は増に 協会試算

 同協会は、介護ベッド、車いす、歩行器など主要5種類の福祉用具を利用する478人の軽度要介護者を対象に昨年12月に調査を実施。福祉用具が使えない場合、ヘルパーに依頼するとした人が約2割いた。この調査結果を基に、掃除、調理など複数のサービスを最低限の時間で受けると想定して試算した。

 記者会見した同協会の小野木理事長は「福祉用具が利用制限されると、家族介護に移行する人も多くなるとみられ、家族の負担が増すほか、転倒や骨折が増加する可能性がある。政府は考えを修正してほしい」と述べた。

軽度の認定を受けている人は、福祉用具や住宅改修を活用することで自立を維持できている側面もありますし、
それが利用できない事で転倒などのリスクが増え、さらにサービスの利用が必要になっていくことも予想されます。
はたして、どうなるのでしょうか。