介護保険料や健康保険料、さらに介護保険施設を利用する際の負担減額などは
その世帯の納税状況によって区分されます。
つまり、所得が多い世帯は、その分だけ多く介護保険料や施設利用の自己負担が大きくなる仕組みになっています。
これは、低所得者対策のためにとられており、
非課税世帯や生活保護世帯などの経済的負担を軽減が図られています。
逆に、世帯に所得のある人がいると、課税世帯として、負担が大きくなり、
介護を行う家庭全体の財布を圧迫することになります。
そこで、世帯分離という方法を取ることができます。
書類上、介護が必要な高齢者を別世帯という扱いにすることで、
その高齢者は単身世帯の世帯主となり、
支出の面で様々な減税や負担軽減を図ることができます。
たとえば、
・介護保険施設利用時(入所・ショートステイなど)の食費・水道光熱費の減免
・介護保険料の引き下げ・減免
・国民健康保険料の軽減
・高額介護サービス費の上限額引き下げ
といった点で、支出を抑えることができます。
ただ、
お金を節約したいから、書類上の扱いで世帯を分けたい、
ということでは受け付けてもらえません。
生活の実態が別になっているなど、世帯を別にする合理的な理由がないと認められない場合が多いです。
介護保険施設に入所して、別に生活を行っておりお金も別会計になっているので、
別世帯として扱ってほしい、などの状況があれば認められることが一般的です。
また、この世帯分離では、税金などの面でメリットもありますが、
デメリットもあります。
世帯主が扶養になっている高齢者を世帯から抜くということで、扶養控除ができなくなります。
世帯の分離により、別の世帯ができれば、世帯分の国民健康保険料の支払いも必要になります。
このように、メリットだけではなく、場合によっては世帯分離をすることで費用負担が大きくなる可能性もあります。
実際に、世帯分離をした場合を考えて、損得計算をしてから役所に相談しに行くことをお勧めします。
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