有料老人ホームの入居について、前払い金を支払う場合があることを説明しましたが、
例えば、入居後に、状況が変わってすぐ退去することになった場合、
その前払い金はどうなるのでしょう。

これまで、価格設定が不透明であったり、説明が不十分であったり、悪意のある事業者も一部であったり、
有料老人ホームの契約については多数の苦情が寄せられていました。

これにより、厚生労働省では2012年の介護保険改正に合わせて、
「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」により、
有料老人ホームの前払い金に関する利用者保護のための規定を設けています。
ここで、特に苦情の多かった前払い金の返還についてのルールが制定されています。

この短期解約特例制度が義務付けられたことににより、
三か月以内の退去の場合、前払い金から実際の利用期間分の利用料を控除した額の返還が受けられるようになりました。
入居した日から三か月であれば前払い金が返還されることから、90日ルールとも呼ばれます。
有料老人ホーム版のクーリングオフと考えてもいいかもしれませんね。

入居後、こんなはずじゃなかった。と思ったら、
この90日という制度で定められた期間を頭に入れて解約なども検討してみてはいかがでしょうか。